座りすぎで腰が痛いと言うと、よく返ってくる答えはストレッチです。太ももの裏を伸ばす、股関節の前を伸ばす、前屈する。
ストレッチは役に立ちます。ただ、それだけでは足りないことも多いです。骨盤や背骨を支える筋肉が働かないままだと、また座った瞬間から腰に負担が戻ります。
多くのデスクワーカーに必要なのは、どこを伸ばすかだけではありません。どの筋肉が仕事を分担しなくなったのかを見ることです。
座ると腰が働きすぎる理由
長く座ると、股関節は曲がったままです。椅子が体を支えてくれるので、体幹はあまり働かなくなります。
その状態が続くと、股関節の前は硬く感じ、お尻は使われにくくなり、深い体幹の反応も遅れます。背中は丸くなり、頭は前に出ます。最後にそのしわ寄せが腰へ集まります。
痛む場所は腰でも、原因は一か所とは限りません。
お尻の筋肉
お尻は股関節を伸ばし、骨盤を安定させます。ここが働かないと、腰が股関節の代わりをしようとします。
まずはヒップリフトから始めます。肋骨を開かず、骨盤を少し丸め、肩から膝までが一直線になるところで止めます。腰に先に来るなら、高く上げすぎか、骨盤の位置が崩れています。
強い刺激より、分かりやすい感覚を優先します。
深い体幹
体幹トレーニングは腹筋運動だけではありません。腰を楽にするには、腕や脚が動いても胴体を静かに保つ力が大切です。
デッドバグが始めやすいです。仰向けになり、肋骨が開かないようにして、片腕と反対の脚をゆっくり伸ばします。腰が床から浮くなら、動きを小さくします。
背骨を固めるのではなく、落ち着かせる練習です。
股関節の前側
座りすぎると股関節の前側は硬く感じやすいです。ただし強く伸ばしすぎると、股関節の前を刺激することがあります。
片膝立ちのストレッチを軽めに行います。先に骨盤を少し丸め、そのあと体を少し前へ移します。後ろ脚の股関節前側が軽く伸びれば十分です。
腰を反らないと伸びないなら、やりすぎです。
上背部
腰がつらい原因が、上背部の動きにあることもあります。背中が丸まったままだと、手を伸ばす、振り向く、物を持つ動きで腰が代わりに動きます。
開く動きや壁を使った腕のスライドを試します。肋骨を前に突き出さず、ゆっくり動かします。大きく動くことより、上背部に参加してもらうことが目的です。
小さな日課
仕事の合間や帰宅後に、これだけ行います。
- ヒップリフト、十回
- デッドバグ、左右六回ずつ
- 片膝立ちの股関節前側ストレッチ、左右二十秒
- 壁スライド、八回
八分もかかりません。週末にまとめて行うより、毎日少しずつのほうが合う人も多いです。
まとめ
座りすぎの腰痛は、一つの筋肉だけの問題ではないことが多いです。
股関節を動かし、お尻を起こし、体幹に安定を思い出させ、上背部にも動きを戻す。腰が全部を背負わなくなると、体はかなり楽になります。